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第2回
わかりやすさを追求した海外向けの商品開発

岩崎 覚史

株式会社バンダイナムコエンターテインメント
経営企画室 事業開発部 チーフ

旧株式会社ナムコに開発職として入社。アーケード用メダルゲームや海外向けレースゲームを多数手がけたのをはじめ、大型体感ゲーム「TANK!TANK!TANK!」の企画、キッズ用カードゲーム「アニマルカイザー」シリーズの開発なども担当。


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岩崎さんは今までに数多くのゲーム開発をご経験されているとお聞きしています。その中でも、特に印象に残っているゲームは何でしょうか?

岩崎:2011年に海外で発売した、キッズ用カードゲームの「アニマルカイザー エボリューション」で、私はゲーム内の表示部分とカードの改良開発を担当しました。海外版の「アニマルカイザー」は、当初は国内版とそのまま同じデザインで言語だけを変えて発売していたのですが、現地調査の結果、追加開発を行うことにしました。

国内版とは、具体的にどこを変えて発売したのでしょうか?

岩崎:まずカードの組み合わせによって発動する演出を、より派手に、よりわかりやすくして、初心者にもカードを組み合わせる面白さがわかりやすく伝わるようにしました。また、一定の条件で発動する技や能力発動などの演出を追加し、バトルの熱中度を向上させました。そして、カードのデザインも作り直して、「ゲームのルールやストーリーなどの豊富な情報を伝える」ことと「シンプルさ」を両立させることに一番こだわりました。

日本と同じやり方でいいとは限らないわけですね。

岩崎:現地でのグループインタビューや店舗観察を実施してわかったのが、日本のユーザーと海外のユーザーはゲームルールの理解度やスピードに差があるということでした。日本では子どものユーザーだけでなく、親の世代でもファミコンなどを遊んだ経験があるので、基本的なルールを比較的早く理解できるのですが、海外ではビデオゲームを遊んだ経験のない人の割合が日本と比べると多いんですね。また、日本と比べてあまり文章を読んでくれない傾向もあります。この仕事を通じて、たとえ言葉を使わなくてもいかにゲームの面白さを伝えるかの大切さを学びました。

ナルホド! 海外向けならではの貴重な開発ノウハウを得たことは、今後のビジネスにおいても大きな強みになりそうですね。

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アニマルの描かれたキャラクターカードを使って画面内にキャラクターを呼び出し、ボタンを操作して他のアニマルと戦うゲーム。プレイ後には新しいカードが排出され、複数のカードを組み合わせることでバトル中にさまざまな技が出せるようになる。

写真左が海外版「アニマルカイザー」のカード、右側が海外版「アニマルカイザー エボリューション」のカード。「アニマルカイザー エボリューション」の方がビジュアル表現を多用して、文章を読まなくても理解しやすくなっている。

「アニマルカイザー エボリューション」公式サイト(※英語)
http://www.animalkaiser.com/en/index.php
シリーズ最新作:「百獣大戦グレートアニマルカイザーゴッド」
公式サイト:http://www.animalkaiser.com/jp/

初期のデザイン

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改良後のデザイン

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改良前に比べてアイコンを大きく、間隔を広げることで誤操作の防止と画面内情報をよりわかりやすく整理することに成功している。さらに画面中央下部にページ数をつけることによって、ユーザーに現在地の明示とアイコンの存在位置を覚えやすくする配慮をしている。

前回のインタビューにご登場いただいた中野渡さんにもお伺いしましたが、岩崎さんもNTT東日本のタブレットのUIデザインを監修されたそうですね。

岩崎:はい。低リテラシーユーザーでも迷わず操作できるようにいろいろと工夫をしました。例えば、情報端末の操作に慣れていない人でも押し間違いをしないように、以前よりもアイコンのサイズを大きくしたりアイコン間の間隔を広げるなどしています。ユーザーが一度に認識できる情報量は限られていますから、画面内にたくさんの情報を詰め込まずに、あえて一度に見せるアイコンの数を絞り込むという狙いもあります。

確かに、情報が多いと覚え切れずにかえって困りますよね。

岩崎:また、画面の端には次のページの一部分だけを表示させるようにもしています。わざわざこのようなデザインにしたのは、これを見たユーザーが「あ、別のページがまだ続いているんだな。」ということがすぐにわかるからなんですね。さらに、ページ数を示す数字を画面下部に出すようにもしました。ページ数があれば、情報端末の操作が苦手な人でも「何ページ目の右から何番目にこのアプリがあるんだな。」と言語化して自分が使いたいアプリの位置を覚えやすくなるためです。

岩崎:あと、気を使ったのがアニメーションの部分で、絵をスクロールさせるときに最初から最後まで同じスピードで動かすと野暮ったいと言いますか、見ていてあまり気持ちがよくないんです。そこでタブレットの性能の範囲内で、できるだけシュッと気持ちよくスピードが出るような動きを出すためにアニメーションを細かく調整しました。

そこまでして気持ちよさにこだわるんですね!

岩崎:はい。限られたスペックの範囲内でいかに快適な操作環境を作るかというノウハウは、それこそファミコンの時代から我々が最も得意とするところなんです。こういう仕事になると、自然と職人魂に火がつくんです(笑)。

動かすだけでも気持ちよくなる仕組みになっていれば、ユーザーもモチベーションが自然とアップしますよね。他にも何か工夫したところはありますか?

岩崎:「いかに日々の生活にタブレットを取り込むか」が大きなテーマでしたので、端末がリビングにずっと置いてあることをイメージしつつ、どうやって日常に溶け込ませるかをずっと考えながら設計をしました。例えば、クレードル(充電器)に置くと自動的にスライドショーが再生されるようにしたり、新着のお知らせが来ると音が鳴って画面に大きくその情報が表示されるようにしました。手元から離れた所に置いてあってもすぐにその存在がわかるようにしたわけですね。逆に、クレードルからタブレットを外して手に持つと自動でホーム画面が表示されるようにもしてあります。

ゲーム以外の商品にも、ゲーム開発のノウハウはいろいろと応用することが可能なワケですね! それでは最後に、このインタビューを通じてスペシャルフラッグの事業に興味を持たれた方もいらっしゃるかと思いますので、ご覧になっているみなさんにメッセージをお願いします。

岩崎:先ほどお話した「アニマルカイザー エボリューション」以外にも、ローカライズや海外向けのオリジナル商品の開発も今までに何度も担当してきましたので、海外に商品やサービスを売るためのノウハウもいろいろと持っています。これから海外へのビジネス展開をしようとお考えの方がいらっしゃいましたら、ぜひ私どもスペシャルフラッグにご相談をいただければと思います。

次回以降も、スペシャルフラッグのコアメンバーが登場予定です。どうぞお楽しみに!

インタビュアープロフィール

鴫原 盛之Morihiro Shigihara

1993年よりゲーム雑誌および攻略本などでライター活動を開始。各種雑誌やWebサイトでの執筆をはじめ、
ゲーム開発の協力も行う。著書(共著)「ビジネスを変える『ゲームニクス』」(日経BP)など。

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